2017年04月26日

時系列のデータをアニメーション表示(1)

最近ではデータがリッチになってきて、時系列でいろんなデータが入手できるようになってきた。昔からのGISだとどっちかというと、時間による変化を見せるのはあんまり得意ではない。でも、ちょっと前のArcGISから、パラパラ漫画的なアニメーション地図(っていうのかな?)を作ることができるようなった。

ということで、今回は時系列データのアニメーション表示方法をメモっておく。とりあえず今回はデータの入手までをメモメモ。

今回使うのは、おなじみ国土数値情報の地価のデータだ。最新版のデータをダウンロードすると昭和58年ごろからの地価も保存されていて、結構便利だ。

国土数値情報ダウンロードサービス
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/

ここの「JPGIS形式」の「GML(JPGIS2.1)シェープファイル)」というデータ形式の中から、「地価公示」を選ぶ。その次のページに、データのフォーマットの説明があって、ページ最下部でダウンロードするデータの都道府県を選ぶことができる。今回は東京のデータを使った。

あ、あと都道府県を選ぶところのちょっと上あたりに「シェープファイルの属性について」というエクセルファイルへのリンクがあるので、これも入手しておくといいと思う。それによると、地価公示(L01)のデータは、L01_48からL01_80という名前のフィールドに、昭和58年から平成27年までの価格が保存されているらしい。

都道府県を選んだら、次のページへ。データの年次が選べるので、一番下にある最新の平成29年のデータにチェックを入れる。

その後、利用目的のアンケートとか、ちゃんと利用規約理解した?とかのページが表示されるので、それらに答えて読んで、データをダウンロードする。今回の場合だと、L01-17_13_GML.zipという名前のファイルがダウンロードできる。

ZIPを展開すると、L01-17_13で始まるシェープファイルを構成するファイル群と、KS-META〜で始まる、メタデータが展開される。

シェープファイルをArcMapに追加すると、島嶼部とか、市部とかも含む東京全域のデータが表示される。今回は、そこから23区のデータだけを使う。

L01_017フィールドが131で始まるポイントを選択して、エクスポートをかけた。このフィールドには市町村コードが入っている。東京、というか特別区のコードについて、詳しくはWikiの以下のページを見てみてくださいな。

全国地方公共団体コード の「特別区の区域および政令指定都市」の説明
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%85%AC%E5%85%B1%E5%9B%A3%E4%BD%93%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89#.E7.89.B9.E5.88.A5.E5.8C.BA.E3.81.AE.E5.8C.BA.E5.9F.9F.E3.81.8A.E3.82.88.E3.81.B3.E6.94.BF.E4.BB.A4.E6.8C.87.E5.AE.9A.E9.83.BD.E5.B8.82


23区に絞った地価のシェープファイルを表示すると、こんな感じのデータが表示される。

i17042001.PNG

(国土交通省国土政策局「国土数値情報(地価公示データ)」をもとに、てくてくGISラボ たかはしが編集・加工)


データフレームの座標系をJGD2000の平面直角9系にして表示している。

ほんとは地価を数値分類で表示したかったんだけど、地価のフィールドの型がテキストで、シェープファイルそのままでは表示できなかった…。新しく数値型のフィールドを作って、そこに値をコピーするのをS58 年からH27年間分やるのはちょっと…。しょぼーん。

そういえば前もこんなことがあって、ExcelでDBFを開いて数値型に変換するツールを教えてもらった気がする。今度国土数値情報をダウンロードするときに、アンケートに書こう。その時にはまた忘れてそうだけど。

次回、このデータからアニメーション用のデータを作る際に実行する「フィールドの転置」を使うと、地価のフィールドは1つのフィールドにまとめられる。そしたら、一回だけ数値型に変換しよう。そうしよう。

今回は、とりあえずデータ入手までということで。よれよれ。
posted by たかはし at 11:00| Comment(0) | ArcGIS

2017年04月19日

ArcMapでArcToolboxツールの結果を再利用

ArcMap上のArcToolboxで何か処理をして、もう一度同じパラメタで処理を実行したくなることがある。

よくやってしまうのは、フィーチャを選択したままArcToolboxで処理を実行してしまって、選択フィーチャだけに処理が実行されてしまうという操作ミスだ。重いはずの処理がやたらと早く終わり、嫌な予感を抱えつつ出力フィーチャを見ると、ちょろっと一点だけ出力されていたりする。全くそんなうっかりな自分にがっかりだ。

仕方がないのでもう一度ArcToolboxのツールを実行しなおすわけだが、指定したパラメタの数が多かったりすると、やりなおすのも手間である。

そんな時は、「結果」ウインドウを確認する。これはArcMapの「ジオプロセシング」メニューから「結果」を選択すると、(ArcToolboxのようにArcMapウインドウ右側に)表示される。

i17041901.PNG

今さっきやったArcToolboxでの処理であれば「現在のセッション」のところにリストされているはずだ。図は先週ぐらいにやった処理がリストされていて、このときはフィールド演算を何度も実行していたらしい。

この「フィールド演算」というところをダブルクリックすると、フィールド演算ツールが、以前実行した時に指定した式や数値などが入った状態で、表示される。

i17041902.PNG

ここで「OK」をクリックするともう一度その処理を実行できる。

もしシェープファイルなどに出力するような処理の場合は、前回と同じシェープファイル名だと処理を再実行できないので、あらかじめ間違って出力しちゃったシェープファイルを削除しておくか、別の名前を指定するとよいと思う。

まま、ArcToolboxをよく使う人なら知ってるよね…、という内容だけど、とりあえずメモメモ。
posted by たかはし at 11:18| Comment(0) | ArcGIS

2017年04月12日

シンボルの分類に従ったラベリングにはシンボルクラスの取得

シェープファイルとかジオデータベースをArcMapで表示するとき、その属性値に従ってシンボルの色や大きさを変えたりすることは多いと思う。例えば都市のポイントデータを表示するとき、人口50万人以上の都市は16ptの円で、10〜50万人の都市は12ptで、というようにして、記号の大小で人口の多い少ないを表示する、という方法だ。

せっかくだから、ここに都市名をラベリングするときも、シンボル表示で使ったクラス分けを流用してみたくならないだろうか。なるかなぁ、なるよね、きっと。うんうん。

さっきの例だと人口が50万人以上の都市はゴシック体のボールドで、人口10〜50万人の都市は通常のゴシック体で、人口10万人以下の都市は小さい明朝体で、といったように表示をしたい、という場合だ。

そんなときは、シンボルの大小を決めた後、レイヤプロパティのラベルタグ内の「シンボルクラスの取得」を使うといいらしい。

今回の説明ではNatural EarthのサイトからダウンロードしたPopulated Placesのデータを使っている。

ダウンロードはこちらから。
Populated Places | Natural Earth
http://www.naturalearthdata.com/downloads/10m-cultural-vectors/10m-populated-places/

上記ページの下の方に、Population ranksという段落があって、ArcMapのフィールド演算でこの式を使うといいよ、という例が載っている。それに従ってpoprankというフィールドを追加して、この式を実行した。

1.レイヤプロパティの「シンボル」タブで、シンボルのクラス分けを決めておく。

今回はpoprankが10より小さい都市、つまり[pop max]が20万人以下は小さい黒丸で、それより大きい都市はそれぞれpoprankに従ってシンボルが変わるように設定した。そうするとこんな感じの地図ができる。

i17040601.png
(図をクリックすると拡大した図が表示されます)

2.レイヤプロパティの「ラベル」タグ内の上の方にある「方法:」のところで「フィーチャのクラスを定義し、クラス毎に異なるラベリングを行います。」を選択する。

3.2.の下のボックス内の表示が変わる。「シンボルクラスの取得」をクリックする。

i17040602.png

4.「クラス:」のところに、シンボルのクラスに対応するラベルが表示される。(シンボルタブの「ラベル」のところに表示されている値がリストされる。)

「クラス:」のところで、1つ1つクラスを選びながら、対応させたいフォントやサイズ、色、配置プロパティなどを設定していく。

poprankが11の地名は、游ゴシック10ptで表示する設定。
i17040603.png

poprankが12の地名は、游ゴシック12pt。
i17040604.png

poprankが13は、游ゴシック12ptボールド。
i17040605.png

poprankが14は、游ゴシック14ptボールド。
i17040606.png

poprankがそれ以外は、游明朝8ptイタリック。
i17040607.png

(結構手間だなぁ…。ぼそっ。)

ともあれ、すべて設定し終わるとこんな感じで地名が表示される。

i17040608.png

悪くはないかもしれないけれど、他と違うように表示するにはその分「違うように表示してね」という設定をしてあげないといけないんだなぁ。そりゃ当たり前だけど…。

まま、ご参考まで〜。
posted by たかはし at 11:00| Comment(0) | ArcGIS