2017年05月31日

凡例にフィーチャ数を表示

ArcGISはとうとう10.5までリリースされたらしい。いつも、x.3ぐらいで次のバージョンにあがっちゃうイメージがあるから、ちょっと珍しい気もする。まぁ、ArcGIS 11とかが出るのも楽しみだけど、今のバージョンのバグが減って、より使いやすくなっていくのも歓迎である。

さて前回までで、地価のデータを年ごとに表示する方法を確認した。地価は5つのクラスに分けていて、ある年には1つもフィーチャがないようなクラスもあったりした。

というような地図を見ていると、年ごとに各クラスのフィーチャ数を知りたくなったり、それを地図にちょろっと出したくなったりするのが、人情である。

そういうわけで、ちょっと強引だけど、今回は凡例にフィーチャ数を表示する方法をメモメモ。

凡例を表示するには、データフレームに時間が設定されていても(パラパラ漫画を表示する設定がされていても)、特別な操作は必要ない。いつも通り、レイアウトビューにしてから(ArcMapのメニューバーから「表示>レイアウトビュー」)、「挿入>凡例」を選択する。

すると凡例ウィザードが開く。最初のページで「プレビュー」ボタンを押して、「完了」を押せば、手っ取り早く凡例の出来上がりである。

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(図はクリックすると拡大します)

ここで、できた凡例をダブルクリックする。そうすると凡例プロパティというウィンドウが開く。

この「項目」タブをクリックして、マップ範囲オプションの「フィーチャ数を表示」をクリックしてオンにする。

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で、OKをクリックする。

すると、マップ上の凡例の後ろにカッコで囲われた数字が表示される。これが、そのクラスに入るフィーチャ数である。

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このフィーチャ数、タイムスライダーバーを動かして年を変えると、ちゃんと変化してくれる。上の図では、2010年で、一番値が大きいクラスには、3つの地価の点があることがわかる。以下は同じ2010年の凡例部分にタイムスライダーを持ってきて拡大した図である。

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これが、2000年1月1日だと、同じ階級には点が1つもないことがわかる。

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アニメーションも楽しいけど、数字がちこちこと変化するのも結構楽しいし便利である。

ただし、地価の場合は年ごとにフィーチャ数が変化するので、凡例に表示されたフィーチャ数の絶対数だけで何か判断しない方がよい。例えば、値が一番小さいクラスのフィーチャ数は、2000年で699個、2010年で945個だけど、この10年で地価が下がったという判断は当然できない。

今回はフィーチャ数を地図上で確認する方法、ということで、凡例にフィーチャ数を表示する方法を説明している。


ではでは、今回はこれにて〜。

(記事内の地価の地図は、国土交通省国土政策局「国土数値情報(地価公示データ)」をもとに、てくてくGISラボ たかはしが編集・加工)
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2017年05月24日

時系列のデータをアニメーション表示(4)

前回までで、基本的な時系列アニメーションの表示方法を確認した。

これで確かにパラパラ漫画的アニメーションは表示できるんだけど、その地図がいつの時点の地図なのかはタイムスライダーバーに表示されている時間を確認しないとわからない。今回は、地図上に時間を表示する方法をメモっておく。

まずは、タイムスライダーウインドウの中にある「オプション」アイコンをクリックする。

i17051001.PNG
(図はクリックすると拡大します)

すると以下のような、タイムスライダーオプションというタイトルのウインドウが開く。

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「時間表示」タブの一番下にある「マップ上に時間を表示」をオンにしてOKすると、今何年の地図を表示しているか、文字で表示される。

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で、めでたしめでたし、ではあるんだけど、デフォルトでは時間が2010/01/01 0:00:00と表示される。国土数値情報のページによると、各年1月1日が調査時点と書いてある。しかしたぶん、1月1日の0時きっかり、新年あけましておめでとうございますの地価ではないだろう。ここは、年月日だけ表示したい。

もう一度タイムスライダーのオプションを開いて、日付表示形式の中から「2017年5月24日(yyyy'年'M'月'd'日')」を選択する。(日付表示形式にはこの操作をした日の日付がサンプルとして表示される。)

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このままだと「時間: 2017年1月1日」というように時間が表示される。ここは、「調査時点:2017年1月1日」と表示されるようにしよう。

これにはタイムスライダーオプションのウィンドウ内の「表示形式」ボタンをクリックする。「時間テキストの外観」というウィンドウが開いて、表示する文字列を入力することができる。

デフォルトだと、「時間: 」と書いてあるので、これを「調査時点:」というように変更する。

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で、時間テキスト概観のウィンドウでOK、さらにタイムスライダーオプションのウィンドウでもOKをクリックする。

そうすると、地図上に例えば「調査時点:2010年1月1日」と表示される。
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スライダーバーの方の時間も、2010年1月1日という表示になる。

ちなみにこの表示、レイアウトビュー(メニューの表示>レイアウトビューを選択、凡例や方位記号などを盛り込んだ地図を作る際に使う表示)でも表示される。が、データフレームの上枠の直下に表示されて、位置を動かすことができない。

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レイアウトビューでデータフレームの時間を別の場所に表示したい時は、タイムスライダーオプションで時間を表示するのではなく、ダイナミックテキストを使うとよい。ダイナミックテキストで時間を表示するには、ArcMapのメニューから「挿入>ダイナミックテキスト>データフレーム時間」を選択する。

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そうすると、地図上にちっこい字でデータフレームの時間が表示される。必要なら位置を調整したり、文字列をダブルクリックして、文字を大きくするなり、「データフレーム時間:」を「調査時点:」という文字れるに変更したりする。

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あ、そうそう、ダイナミックテキストの時間の表示形式は、タイムスライダーオプションのそれに従っているらしい。

ではでは、今回はこれにて〜。
(記事内の地価の地図は、国土交通省国土政策局「国土数値情報(地価公示データ)」をもとに、てくてくGISラボ たかはしが編集・加工)
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2017年05月17日

時系列のデータをアニメーション表示(3)

前回は、国土数値情報のホームページからダウンロードした地価公示のデータを、時系列アニメーション表示をするためのデータに作り変える作業を行った。今回はいよいよアニメーション表示である。

前回作成した、時系列アニメーションを表示するためのデータ「TokLandPriceTS」のレイヤプロパティを開いて、「時間」タブをクリックする。

で、一番上の「このレイヤーで時間を有効にする」をクリックしてオンにする。

レイヤ時間はデフォルトのまま、「各フィーチャに1つの時間フィールドがあります」を選択しておく。

時間フィールドは、フィールドの転置ツールボックスで、黙々と入力した西暦年が入っているYearを選択する。

ここまで指定するとこんな感じ。

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(図はクリックすると拡大します)

さらにその下のフィールド形式の部分では、西暦年が4桁の数値で入っているので「YYYY」を選択する。

時間ステップの間隔は1年ごとなので、「1」と「年」を選択、レイヤの時間範囲のところで「計算」ボタンをクリックすると、Yearの値の最小値と最大値を読み取ってくれる。今回のデータだと1983〜2015と表示されるはずである。

「計算」をクリックすると時間ステップの間隔が勝手に「2」になってしまうかも。この場合は手動で「1」と入力しておく。

以下のように指定できたら「OK」をクリックする。

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で、地図の表示だけど、あんまり変わりがないように見える…かもしれない。ここで、ツールバーから「タイムスライダーバー」をクリックして表示しよう。

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すると以下のようなタイムスライダーウインドウが開く。スライダーバーは今一番左側の1983/01/01 0:00:00になっている。

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ここで地図を見ると、すごく点が減って表示されていると思う。地価の高い赤い点も皆無だ。これはTokLandPriceTSのポイントからYearが1983のポイントだけが選ばれて表示されているためだ。

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スライダーバーを左右に動かすと、その時間に従ったデータが表示される。以下は1990年の地図だ。

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以下は2000年。

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以下は2010年である。

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(以上の地価の地図は、国土交通省国土政策局「国土数値情報(地価公示データ)」をもとに、てくてくGISラボ たかはしが編集・加工)

楽しい?かな…

スライダーバー右端の右矢印のアイコン(動画とかビデオの再生みたいなボタン)を押すと、ゆっくりながらもスライダーバーが自動で動いて、1年ごとの地価の地図をパラパラと表示してくれる。

ここまでが、基本的な時系列アニメーションの操作方法だ。そんなに操作数は多くないんだけど、長かったなぁ。

今回はこれにて…。
posted by たかはし at 11:00| Comment(0) | ArcGIS